Hijiri Tougane

東金 聖

HIJIRI TOUGANE

受け継がれる器展

at Kiln TOKYO 2026年10月23日(金)〜 27日(火)

受け継がれる器展

子供の工作から、大人の工芸へ。

産業の中で衰えていった技から、作家が革新する技へ。

そして、その革新した技を、職人の手へ。

本展は、この「受け継がれる」流れを共通項とする三つの展示で構成されています。作品の展示、商品の展示、そして空間の展示です。

作品二つとない器

東金聖が自ら制作した一点ものの器です。美濃焼の成形技法「ガバ鋳込み」と「組み立て」は、産業の中で担い手が少なくなった技術です。東金聖はこの技法を用いて、器を新しい表現へと展開してきました。本展では、空間「記憶の倉庫」の中に展示しています。

商品Atelier Line

東金聖が育成したアトリエの職人が、その造形と技法を受け継ぎ、一つひとつ制作する器のシリーズです。第一作は「クッションピラーティーカップ&ソーサー」。東金聖の「キャプテンティーカップ&ソーサー」を原点に、新たに構築した器です。本展が初めての発表となります。

空間について

インスタレーション「記憶の倉庫 子供の工作が、大人の工芸に。」

会場全体を一つの作品として構成したインスタレーションです。

着想のもとは二つの記憶です。一つは、子供の頃に夢中になったものづくり。もう一つは、幼い頃に訪ねた家具屋や骨董屋の奥にあった、ものがひしめく倉庫です。

会場には段ボールが積まれ、布に覆われたものが置かれています。箱の中には、子供の工作のように自由に空想を広げた世界と、作家の技術でつくられた陶磁の作品とを組み合わせた「小さな劇場」があります。

箱をのぞくと、その世界が現れます。子供の工作と大人の工芸のあいだを行き来しながら制作する、東金聖のものづくりそのものを、空間として表しています。

Works

作品 二つとない器

展示している作品から

  • 色とりどりの装飾があふれ出すタンブラー
    Overflowing Brain Juice & a World of Delusions Tumbler ¥385,000(税込)
  • トランプの模様が舞い上がるピラーマグ
    トランプが舞い上がるピラーマグ ¥275,000(税込)
  • チェッカー柄のブーツが付いた赤いカップ&ソーサー
    チェッカーのブーツが際立つ赤いトレジャーピラーカップ&ソーサー ¥396,000(税込)
  • ストライプとチェッカー柄の黒猫のタンブラー
    ストライプとチェッカーの黒猫タンブラー ¥275,000(税込)

会場では、このほかの作品もご覧いただけます。

商品 Atelier Line

つくる喜びを、次の手へ。 Atelier Line はじまります。

真上から撮った、青・イエロー・ピンクのクッションピラーティーカップ&ソーサーと、青のクッションプレート

子供の頃に好きだった工作が、大人になって仕事になりました。
そして今、私はもうひとつの「ものづくり」に取り組んでいます。

自分の手で生み出してきたものを、誰かの手へと託していくこと。その人が技を身につけ、器をつくり、仕事として続けていける場所を育てることです。

私が制作に用いてきた、美濃焼の成形技法「ガバ鋳込み」と「組み立て」。担い手が少なくなってきたこの技術も、私ひとりがつくり続けるだけでは、その先へつなぐことができません。

誰かが学び、つくった器が誰かの暮らしに迎えられる。その喜びと収入が、次の制作を支えていく。そんな循環を、アトリエからつくりたいと思いました。

その最初のかたちが、Atelier Lineです。

私が育成したアトリエの担い手たちが、造形と技、そこに込めた思いを受け継ぎ、一つひとつ制作する器のシリーズです。

第一作は「クッションピラーティーカップ&ソーサー」。
私の創作の転換点となった「キャプテンティーカップ&ソーサー」を原点に、新たに構築した器です。私自身による同形状のティーカップの制作は、これまでに発表した作品をもって完結し、その造形は、次の手へと受け継がれていきます。

手を動かすことに夢中だった子供が、ものづくりを仕事にし、今度は、その仕事が続いていく仕組みをつくろうとしている。これもまた、今の私にとって、初めてのことに挑むものづくりです。

Atelier Lineを皆様にお披露目するのは、この展示が初めてです。

私の手から、アトリエの担い手へ。
そして、皆様の暮らしへ。

ここから始まる器の歩みを、見届けていただけたら嬉しく思います。

東金 聖

アトリエラインの器を見る

Space

空間 記憶の倉庫

子供の工作が、大人の工芸に。

子供の頃、何かをつくるのが大好きでした。
特別に器用だったというよりも、頭の中にあるワクワクを、目の前に出してみたかったのだと思います。

「これをつくったら、みんなどんな顔をするだろう?」

面白いものができると、友達だけでなく、大人までびっくりしてくれる。その顔を見るのが嬉しくて、また何かをつくっていました。

紆余曲折を経て、ものづくりが私の仕事になりました。素材も技術も変わりましたが、誰かの驚く顔を見たいという気持ちは、今も変わりません。

ここに並ぶ段ボールの中には、そんな私の原点と今を重ねた「小さな劇場」があります。

子供に戻ったような気持ちで、自由に空想を広げてつくった世界。鏡の向こうには、その続きが広がっています。そして真ん中には、大人になった私が、今の技術と感性でつくった陶磁の作品を置きました。

けれど、どこまでが子供の工作で、どこからが大人の工芸なのか。その境界は、私の中では曖昧です。

夢中で手を動かしていると、子供の自分が顔を出す。それを形にしようと、大人の自分が考える。できあがったものを見て、また子供のように嬉しくなる。そんなふうに行ったり来たりしながら、今もものをつくっています。

記憶の倉庫

もうひとつ、この空間のもとになったのは、「倉庫」の記憶です。

幼い頃、親と訪ねた家具屋や骨董屋。その奥に、ものがひしめく倉庫がありました。海外で暮らしていた頃に見た、アートの眠る倉庫も忘れられません。何があるのか、まだ全部は見えていない。そのことが、たまらなく魅力的でした。

積まれた段ボール。布に覆われた何か。
一見しただけでは、何があるのかわからない。

けれど、足を止めて、ひとつの箱をのぞいてみると、そこに世界が広がっている。そんな発見のある場所をつくりたくて、この展示空間が生まれました。

子供から大人へと歩いてきた時間は、こうして今もつながっています。大人になったからこそできることを使って、子供のように遊んでみる。それも、私にとって大切なものづくりです。

箱の中を、そっとのぞいてみてください。
私の「つくる楽しさ」が、あなたの「見つける楽しさ」につながったら嬉しいです。

そのひとときが、あなた自身の子供心に出会う時間にもなりますように。

東金 聖

Information

会期
2026年10月23日(金)〜 27日(火)
時間
11:00 〜 19:00(最終日の27日は16:00まで)
会場
at Kiln TOKYO 東京都渋谷区恵比寿西1丁目5-1 2F

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